元シーズンMVPのローズがCLEへ
<CLE、アービング放出に備えてデリック・ローズと契約合意>
昨シーズン、NYKで復活の兆しを見せたデリック・ローズは、今オフFAとして他チームとの交渉を行っていた。先日は、名門であるLALとの話し合いがあったが、LALには来シーズン最も注目されるであろうルーキーPGのロンゾ・ボールがいる。
ロンゾ・ボールがいる限り、ローズの出場機会は制限されるはず。
それを考えるとローズにとってはあまり魅力的な条件ではなかったのだろう。
LALの他にも、ローズはCLEを訪問する機会も得ていたようで、1年契約の話し合いの末、ローズの気持ちはCLEに偏ったようでベテラン最低額での1年契約に合意した。
ローズは、CHI時代にとんでもないスピードとドライブを武器にインサイドへ切り込んで得点を決めてきたリーグトップクラスのPGだった。
2010-2011にはチームを62勝に導き、見事、NBA史上最年少の22歳でシーズンMVPを獲得した。
ローズにはアウトサイドシュートがないが、それがないとわかっていてもディフェンスはローズのオフェンスを止めることができなかった。
オールスターにも3回出場し、寡黙なエースはファンからも相当な人気を得ていた。
2016-2017の選手別ユニフォーム売上もジェームズ・ハーデン、ドウェイン・ウェイドに次いで12位となっている。
しかし、キャリアでは2011-2012に右膝の前十字靭帯を断裂すると、そこから長期離脱が続き、2012-2013、2013-2014と毎年のように膝の怪我に悩まされ、途端にシーズンMVPを受賞した選手とは思えないパフォーマンスにまで落ちてしまった。
再起を誓い、2016-2017はNYKに移籍し、カーメロ・アンソニーと同じチームでプレーすることになった。
ローズは、苦手なアウトサイドシュートを打たないことにし、本来のドライブでフローターやレイアップから得点を取るスタイルに戻してきた。
かつて程のスピードやテクニックは備えていないが、1試合20得点できる程の選手に返り咲いた。
そして、来シーズンはCLEでレブロン、ラブと共にプレーすることになった。
CLEがローズ獲得に積極的に動き出した背景には、CLEのカイリー・アービングがチームにトレードを要求したことも関係があったのだろう。
CLEのローズ獲得により、アービングのトレードが現実味のあるものになってきた。
仮に、ローズ獲得に動かず、アービングがCLEを離れたとしたら、先発のPGがいなくなっていた。
しかも、アービングはチームの中心選手である。
中心選手がいなくなれば、当然、チーム自体が変貌する可能性は高く、今のCLEのメンバーを考えるとアービングという中心選手がいなくなれば、大幅な戦力ダウンに繋がっていただろう。
レブロンが来シーズン終了時点でCLEとの契約を満了し、このチームを出ていく可能性は非常に高い。
もう一度優勝するなら、来シーズンしか優勝チャンスがないかもしれない。
そんな状況の中、アービングを失ってしまえば、CLEの優勝というのも遠退いてしまう。
今回のローズ獲得は、CLEが来シーズンを乗り越えていく上で重要な契約になっただろう。
だが、CLEに休んでいる暇はない。
来シーズンが終了すれば、レブロンがチームを離れる可能性が高いことは変わらない。
レブロンがいないチームを考え、アービングのトレードで新たなチームの構築を図らなければならない。
今後、アービングはどうなるのだろうか、CLEはどういう決断を下すのか、まだまだこの先も注目していきたい。