CLE vs GSW、3年連続の頂上決戦
<圧倒的な強さで勝ち抜いたそれぞれの王者>
カンファレンス・ファイナルでは第1シードのBOSに1敗したものの、4-1で破り、完全なる実力差の違いを見せつけた。
このカードでのNBAファイナルは、昨年、一昨年に続いてなんと3年連続。
昨シーズンは、CLEがシリーズ4-3として優勝し、その前はGSWがシリーズ4-2として優勝している。
GSWにとって昨シーズンの敗北は、不本意だったに違いない。
シリーズに大手をかけていたが、インサイドでのディフェンスの要であるアンドリュー・ボガットが怪我で離脱してからディフェンスが崩壊。そこから一気に連敗を喫し、2年連続のNBA制覇を目前に敗退してしまったのだから。
GSWはその敗戦後、OKCから絶対的なスコアラー、ケビン・デュラントを獲得し、王者奪還へ闘志を燃やした。
そして今シーズン、NBAファイナルで再びCLEと対戦する。
GSWは、昨シーズンのリベンジに挑む。
対するCLEは、昨シーズンリベンジに成功し、今シーズンは連覇に挑む。
この2シーズン因縁のライバルとなっているGSWと3度目のNBAファイナルが始まろうとしている。
一昨年は、ケビン・ラブが欠場したが、昨シーズン、今シーズンとベストメンバーでここまで辿り着くことができた。
両チーム共にシリーズを通して怪我人が出ることなく、ベストメンバーで勝負に挑んでもらいたい。
<2シーズン前から因縁のライバルと化した両チーム>
それでは、ここまでの両チームの対戦成績を見てみよう。
シリーズを通して得点、リバウンド、アシストとチームトップの成績でPPG35.8、RPG13.3、APG8.8を記録。
ただ、プレータイムはMPG45.8とほぼフル出場な状態だった為、レブロンにかかる負担は大きかった。
FG成功率39.8%、3P成功率31.0%とシュート確率は40.0%を下回っていた。
これは、アンドレ・イグダーラのレブロンへのディフェンスが凄かった。
レブロンがドライブする方向は、割とデータがあり、分かりやすいところもある為、ドライブにも対応し、先読みしてコースに入っていった。
分かっていても止められないのがレブロンの凄さだったが、このシリーズではイグダーラがそれを抑えた。
ポストアップにも対応し、持ち前の腕の長さとフィジカルでレブロンの得点を最小限に抑えた。
チームリーダーであるレブロンのリズムが狂えば、チームのリズムも徐々に崩れてくるもの。
イグダーラは、レブロンへの執拗なディフェンスからリズムを掴み、オフェンスでも活躍する。
MPG36.8、PPG16.3、RPG4.8、APG5.8、SPG1.3、FG成功率52.1%、3P成功率38.5%を記録し、ファイナルMVPにも輝いた。
そんなイグダーラだが、試合後のインタビューでレブロンについて聞かれ、「彼を抑えることなんてできない。」と、答えたシーンがあった。
確かに、イグダーラのレブロンに対してのディフェンスは本当に素晴らしく、誰が見ても大活躍といえるレベルだった。
しかし、イグダーラが言うことも分かる。
大抵の選手であれば、この選手に「やられてしまった。」と思うだろう。
他にも、レブロンの凄さが分かる出来事がもう一つある。
チームトップの得点を記録したステファン・カリーを差し置いてのファイナルMVPだ。
レブロンがどれだけ偉大な選手かが分かるだろう。
ただ、2年前はそんな偉大なレブロンでもGSWという大きな壁を打ち砕くことはできなかった。
GSWは、NBA界にアップテンポなバスケットでも優勝できることを証明し、リーグ全体のプレースタイルをも覆したチームとなった。
<健康状態を維持したCLEがリベンジ成功>
GSWが優勝して1年後の2015-2016にも両チームは、NBAファイナルで再び対戦することになった。
この年のシリーズではGSWのボガットが大活躍した。
前回のイグダーラに代わってボガットがインサイドのディフェンダーとしてゴール付近での守護神と化した。
レブロンもGSWのボガットの影響でオフェンスに大きく苦戦した。
レブロンは、マイケル・ジョーダンやコービーとは異なるタイプのプレーヤーであり、ジャンプシュートを多用して1on1を仕掛けるような、しなやかさはあまりない。
どちらかというと、ドライブでフィジカルを活かして得点を取るタイプの選手。
GSWは、そんなレブロンへの対策として、ドライブで侵入してきたところにボガットのディフェンスを配置し、ゴール付近からの得点をシャットダウンした。
その闘いが上手くいき、GSWはシリーズを3-1として大手をかけた。
しかし、それから攻守に渡り活躍し、チームを鼓舞するドレイモンド・グリーンが1試合の出場停止になったり、ボガットが怪我でシリーズ絶望となると、3連敗を喫し、まさかの大逆転負けを味わうことになった。
CLEは、リベンジに成功し、チーム創立以来初の優勝を果たした。
私は、GSWを応援していたので悔しかった…
いつしかWASもファイナルまで進んで欲しいものだ。
<CLEの連覇か、GSWの王者奪還か>
そして今シーズン!
ついに、CLE vs GSWの3年連続の頂上決戦が始まる。
今シーズン、両チームのレギュラーシーズンでの対戦成績を見てみると、1勝1敗のタイ。
共にホームコートで勝利しており、クリーブランドで行われた試合は、108対109の接戦をCLEが制した。
ゴールデンステイトで行われた2回目の対戦は、91対126でGSWが圧勝した。
新戦力であるデュラントは、CLE戦でMPG33.5、PPG28.5、RPG10.5、SPG1.0、BPG2.0FG成功率51.3%、3P成功率33.3%という驚異の成績を記録している。
カリーがMPG34.0、PPG17.5、APG7.0、SPG3.5、3P成功率36.8%を記録しているが、FG成功率35.5%と低迷している。
スプラッシュブラザーズの相棒であるクレイ・トンプソンは、MPG36.0、PPG25.0、FG成功率51.5%、3P成功率45.5%と好調を維持している。
対するCLEは、アービングがMPG36.5、PPG21.0、RPG4.0、APG6.0、SPG4.0と記録しているが、FG成功率37.0%、3P成功率30.0%と確率は悪い。
ラブもMPG24.0、PPG11.5、RPG4.5、FG成功率31.6%、3P成功率33.3%とラブの本来の力は発揮できていない。
レブロンだけは、MPG37.5、PPG25.5、RPG10.5、APG3.0、SPG1.5、FG成功率45.0%、3P成功率41.7%を記録し、奮闘している。
あとは、このプレイオフ期間中にラブの得点チャンスをもっと増やしていきたいとティロン・ルーHCが語ってたように、ラブがどれだけ得点に絡めるかも重要になってくるだろう。
ベンチから出場する選手の3Pも、CLEにとっては、重要になるに違いない。
GSWは、カリーがファイナルでのCLEを相手に、得点を自由に取ることが出来るかが鍵になってくるだろう。
また、昨シーズン、ボガットが抜けてゴール付近のディフェンスが弱くなり、敗北を喫しているだけに、今シーズンのディフェンスは、より固めていかなければならないだろう。
ディフェンスのローテーションとカリーの調子を向上していかなければ、厳しいシリーズになるはずだ。
GSWが昨シーズンのリベンジを果たすことになるのか、CLEが2連覇を達成してしまうのか、現地6月1日から始まる、2016-2017NBAファイナルに大注目しよう!