2016-2017、GSWが2年振りのNBAチャンピオン
<プレイスタイルの変化から生み出された数々の新記録>
GSWの優勝は、2014-2015以来2年振り。
昨シーズンは、CLEに破れてあと1歩のところで優勝を逃したが、今シーズン、同一カードで圧倒的な強さを見せつけてリベンジを果たした。
ファイナル第5戦の平均視聴者数2500万3000人を記録し、昨シーズン第5戦の2090万8000人を上回り、視聴率も16%を記録し、1998年以来最高の数値を残したと、NBA.comが発表している。
因みに、1998年のファイナルは、あのマイケル・ジョーダン率いるCHIとNBA好きであれば誰もが知るカール・マローンのUTAの対戦だった。
このシリーズは、第5戦をUTAが83対81の僅差で勝利し、第6戦はCHIが87対86で接戦を制して優勝を決めた。
あれから約20年後のNBAは、3Pショットが主流となり、得点の取り合いのゲームと化していた。誰も想像しなかった展開ではないだろうか。
ラン&ガンでは優勝は出来ないと10年程前までは言われていたが、今やそんなことを言うものは少ないだろう。
バスケットのスタイルが変われば、当然、次々に新しい記録も生まれてくる。
ファイナルMVPに輝いたGSWのケビン・デュラントは、ファイナルで毎試合30得点以上を記録したが、これは、史上6人目の快挙となった。
また、平均得点でも35.2得点を記録したデュラントは、ファイナル史上10番目の偉業を発生した。
チームでのプレイオフ平均得点も119.3得点を記録し、2000年代では最高の数値を残した。
<GSW、最強のビッグ・フォー>
このシリーズではデュラントvsレブロンを注目する声が多かった。
だが、デュラントが活躍できたのもチーム全体が機能したのもGSWの核となるスプラッシュブラザーズが存在するからだということを忘れてはならない。
ステファン・カリーは、このシリーズでPPG26.8、RPG8.0、APG9.4、SPG2.2、3P成功率38.8%を記録した。
PGというポジションでリバウンドを1試合平均8本も取っていたが、特に目立ったのがオフェンシブリバウンドだった。
オフェンシブリバウンドにリーグで最も定評のあるCLEのセンター、トリスタン・トンプソンは、このシリーズで1試合平均2.8本取ったが、カリーはそれに次いで2.2本を記録した。
また、アシストとスティールはチームトップの数字を叩き出した。
第5戦、カリーを抑えるCLEのディフェンスは、カリーに3Pを打たせずドライブさせるよう徹底した。
「3点やるなら2点がいい。」カリーが相手チームのディフェンスに与える影響は、それだけ凄いものだった。
そして、忘れないで欲しいのが相棒のクレイ・トンプソンだ。
トンプソンもフリーであれば必ず3Pショットを決められる為、CLEのディフェンスはカリーとトンプソンがいる限り外へ広がるしかない。
GSWは、広いスペースを使ってオフェンスができる為、このシリーズでも何度もゴール下で簡単なダンクを決めるシーンが見られた。
あのようなイージーショットが出来るのは、スプラッシュブラザーズが存在するからだ。
トンプソンは、ディフェンスでも大きく貢献できる選手だ。
第5戦でもレブロンとのマッチアップが何度かあった。
レブロンがポストアップをし、トンプソンがぴったりマークをするというシーン。
トンプソンは、そこで2回ともレブロンを抑えた。
プレイオフで不調と言われていたトンプソンだが、ちょっとでも空くと3Pショットを確実に決めてくる。
カリー、デュラントが大きく目立っているが、元々はカリー、トンプソンのスプラッシュブラザーズこそがGSWだ。
カリー、トンプソン、グリーン、そこにデュラントも加わり、GSWの最強ビッグフォーの誕生だ。
来シーズンもGSWとCLEは、リーグトップのチームであることは変わらないだろう。
もし、対抗できるチームがあるとすれば、SASではないか。
SASの選手が全員健康であれば、GSWにとって脅威となるはずだ。