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今季終了のWASだが、優勝に向けて大健闘

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<イーストのダークホース、WASを支えたジョン・ウォール>

現地5月15日に行われたWAS vs BOSの第7戦は、105対115でBOSが勝利し、イースタンカンファレンス・ファイナルに進出した。
 
WASは、これで今季終了となった。
ただ、今シーズンのWASがここまで勝ち進み、第1シードのBOSと大接戦を繰り広げるなど、誰が予想しただろうか。
11月を終えた時点でのWASの成績は、6勝11敗と大きく負け越していた。
レイオフ圏外のチームとして思われていただろう。
 
そんな、NBAでは地味なチームという印象のあるWASは、ジョン・ウォールとブラッドリー・ビールのバックコートコンビがチームを支えている。
 
ウォールは20歳でNBA入りを果たしており、ビールも19歳でNBAデビューを果たしている。
お互いに若い頃からこのリーグに飛び込んできた選手だ。
 
ウォールは今年で7シーズン目になり、もちろんWAS一筋のプレーヤー。
ビールは5シーズン目で得点力も今シーズンは、PPG23.1を記録し、ようやくリーグに適用してきてチームの看板プレーヤーと言われる程の成績を残すまでに成長した。
 
BOSとの第7戦は、第1クォーターから良い立ち上がりを見せ、4点ビハインドでも問題ない雰囲気だった。
シュート精度も良く、落ち着いている様子だった。
 
第2クォーターに入ってもそのリズムは続いた。
ファーストブレイクでウォールが攻めるだけでなく、セカンドブレイクにも必ずオット・ポーターJr.が走っている為、得点も確実に取れた。
ウォールのドライブからポーターがカットインして決める場面も見られ、オフェンスは上手く機能しているように見えた。
 
しかし、マーチン・ゴータットがキャッチミスやパスミス、イージーショットを落とすなど、ミスを連発。
中々逆転が出来ずにいたが、ディフェンスを頑張り、点差を開かれることはなかった。
 
すると、ビールが3Pをついに決めて48対48の同点に追いつく。
そして、エースのウォールのジャンパーで50対49と逆転に成功した。
 
前半が終了し、試合は後半へ。
後半の立ち上がりは悪くなかったが、試合が終盤になるに連れて、流れがBOSに傾いていく。
WASはターンオーバーが多く、ディフェンスではバックドアで簡単に相手に得点を許してしまう。
 
結局、最後はBOSのエース、アイザイア・トーマスに得点を量産され、シリーズを決められた。
 
(約7分でプレイオフでのジョン・ウォールの大活躍っぷりが分かる)
 
今季のWASの敗退が確定したが、このプレイオフでの収穫は大きかった。
まず、プレイオフで13試合を闘ったことは、プレイオフ経験の少ないチームメンバーにとっては良い経験になっただろう。
特に、ブラッドリー・ビール、オット・ポーターやマーキーフ・モリス、ボヤン・ボグダノビッチにとっては、大きな学びの場になったに違いない。
 
そして、ウォールは、これまでプレイオフで毎回苦しんでいたが、今シーズンの成績はレギュラーシーズンよりも良かった。
 
レイオフファーストラウンドから13試合をMPG39.0で出場したウォールの成績は、PPG27.2、APG10.3、SPG1.7、BPG1.1、FG成功率45.2%、3P成功率34.4%と攻守に渡って大活躍した。
 
過去プレイオフには2度出場しているが、その時の成績は、PPG17.0前後でFG成功率39.0%より低く、3P成功率22.0%以下だった。
シュート精度が悪く、得点がなかなか取れなかった。
 
その過去を今シーズンは払拭した。
まず、得点力が上がったのは、ドライブからの強引なレイアップ以外にもストップ&シュートで中距離から得点を積み重ねることが出来たからだ。
また、3Pのシュートセレクションを良くし、フリーな場面でのみ沈めるように心掛けていた。
シュートだけでなく、ウォールには超スピードからのアシストもある。
その為、ウォールは結果的にディフェンスされづらいプレーヤーに成長したのだろう。
 
ATL戦では、6試合でPPG29.5、APG10.3、SPG1.7、FG成功率52.5%、3P成功率47.4%という驚異的な成績を残した。
 
BOS戦では、全7試合に出場し、PPG25.1、APG10.3、SPG1.7、FG成功率39.8%、3P成功率28.6%を記録し、プレイオフでも得点を量産出来ることを証明した。
 
ウォールは、ATL戦での良いリズムのままこのシリーズに入った為、最初の2試合はロードでもハイパフォーマンスを見せ、その後のホームでの2試合もファンの力を借りて奮起した。
 
シリーズ最初の4試合でのウォールの成績は、PPG27.7、APG12.2、SPG2.7、BPG1.7、FG成功率41.6%と、この数字だけみるとレブロン・ジェームスの成績ではないかと思えてしまう程だ。
得点アシストだけでなく、スティールも1試合で2.7本もし、ガードにも関わらずブロックを1試合で1.7本もするのだ。
間違いなくリーグ最高のPGだと思わせる成績だ。
 
ただ、BOSは、ウォールをシリーズ終盤にしっかりと抑えてきた。
 
シリーズが進んでいく毎にウォールは思うようなプレーをさせてもらえず、ドライブでゴールへアタックしてもファウルをコールされずに不満げな態度を見せていたことが多々あった。
 
また、若いメンバーの多いWASは、シュート精度も徐々に悪くなってくる。
ウォールがアシストをするが、チームメイトがシュートミスをする事も多く見られた。
 
ビールは、3Pショットが欲しいところでことごとく入らなかった。
マークがキツく、ボールを貰うところまでで体力を消耗し、アウトサイドシュートに影響が出たのだろうか。
 
そして、ウォールもBOSに抑えられるようになってしまうと、最後の3試合では、PPG21.6、APG7.6、SPG0.3、BPG1.3、FG成功率36.9%と低迷した。
 
スティールに関しては、最初の4試合に11本を記録していたが、ラスト3試合ではわずか1本。
得点も平均で5得点下回り、アシストも平均で約5本少なくなっている。
BOSが上手くWASのエースウォールを抑えたといえる数字だ。
 
今シーズンを終了し、ウォールとWASに新たな課題が見つかっただろう。
来シーズンのイースタンカンファレンスを制する為にはさらなるステップアップが必要だ。
ホームコートアドバンテージがあれば、BOSには勝てたかもしれないが、それ以上にイーストにはCLEがいるのだから、WASには補強も必要だろう。
 
WASは、ウォールとビールの他にシックスマンで得点能力の高い選手が必要だと感じる。
現HCのスコット・ブルックスは、OKC時代、ケビン・デュラント、ラッセル・ウェストブルック、ジェームズ・ハーデンと共にファイナルまで出場した経験があるが、その時は、ハーデンがシックスマンとしてチームの起爆剤になっていた。
WASにもその起爆剤が欲しい。
 
オフには、センターのゴータットもいなくなってしまう可能性が高いWASは、新戦力を加えてベンチ層を厚くしていくことが大切だろう。
 
来シーズンのWASに大いに期待しよう。
今年のプレイオフ残り試合は、楽しみながら見ることにしようかな。